グレンコ・アンドリー 『プーチン幻想』 感想の裏話

 5年以上やっていますが、改めて書評って難しいなあと思います。

 読んでいない人にその魅力を伝えなけらばならないので、ある程度のあらすじは必要。しかしながらネタバレになりすぎてもダメ。書いた人の意見がなければ感想にならないけど、主観が入りすぎてもダメ。

 その辺を身構えすぎて、中々書けない理由になったりしていたのですが、あまり難しく考えすぎてもダメですね。完璧なものなど書けるはずはありませんので。

 書評の書き手自身のエピソードが書評を魅力的にすることもありますが、それを詰め込み過ぎて長くなりすぎてもやはり読んでもらえないものになってしまいます。番外で今回の書評「グレンコ・アンドリー プーチン幻想 「ロシアの正体」と日本の危機 感想」で書ききれなかったエピソードをちょっと書いてみたいと思います。個人ブログですのでその辺はご愛敬ということで(笑

 私の若い日のソ連のイメージを形成した少女漫画とは勿論、青池保子先生の『エロイカより愛をこめて』です。『工作員 西郷隆盛』の感想でも取り上げたことがあります。

倉山満 『工作員・西郷隆盛』感想

 『エロイカ』はコメディーなので人が死ぬシーンを出さないという縛りを青池先生が課していたこともあり、KGBのエージェント「仔熊のミーシャ」や「白クマ」も敵ながら愛すべきオジさまとして描かれていましたが、やることは何百人もの乗客が乗った列車もろともエーベルバッハ少佐を爆破しようとしたり、遺跡もろとも少佐を手榴弾で葬り去ろうとしたり、任務のためなら手段を選びませんでした。

 『エロイカ』はスピンオフ作品も多数あり、新人エージェントのハードだけど、ちょっとロマンティックなエピソード(特に初期)もある『Z』、人気絶頂期とはいえ、良くこんなハードなテーマの作品を少女漫画誌で掲載したなというWエージェントの悲哀や暗殺者との激闘を描いた『魔弾の射手』もあります。少女漫画とはいえ、男性が読んでも面白いと思います。うちの兄たちも大好きでした。よろしければ是非_(._.)_

 『パタリロ』にもKGBのエージェントが描かれています。『パタリロ』も基本はギャグ漫画なのですが、工作員の恐ろしさをまざまざと感じさせるシーンがあります。こちらは、前回のブログでも取り上げた『日本占領と「敗戦革命」の危機』の書評を書いた後、改めて取り上げたいと思っているのですが、何しろ書きたいものが多すぎなのと、時間がなさすぎです…

 参加した講演会のエピソードですが、こちらは昔勤めていた会社で何か月かに一回、地元の料亭で開かれていたもので、所長が用事でいけない時に、たまに私が出席していました。講演の内容はその時々でいろいろですが、昼食が楽しみで(笑)。結構名前の知れた料亭の新鮮なお魚尽くしの料理が食べられるという。そんな中、その社長さんの話は今までとは一線を画すものでした。「プーチン幻想」に騙されてるとはいえ、勉強不足だったり無知だったりする人では全くありませんでした。書評でも書きましたが、富山は北前船での貿易があり、北海道への移住者も多くかかわりが深いのです。その社長さんも仕事だけではなく、歴史研究会にも所属していて、実際に国後島に足を運んだ時の写真も見せてくれました。憲法などにも関心が深く、自分で考えた「日本国憲法前文」をスライドで出したりと、いささかぶっ飛んだ講演会でした。

 かなり印象的な講演会だったため、FBで日記に書いており、日付も特定できました。2015年の2月25日です。その直後に、倉山満先生の『嘘だらけの日露近現代史』が発売されたので、ためになる講演の御礼と称して、そちらと、やはり倉山先生の『帝国憲法の真実』を手紙を添えてプレゼントしました。その後「とても面白くて一気に読んでしまいました」との丁寧な御礼のお手紙が届きました。

 以上の裏話ですが、私が所謂「プーチン幻想」に騙されなかったのは、少女漫画とはいえ、かなりリアルにソ連のスパイや国際政治を描いていた『エロイカ』『パタリロ』を読んでいたから、そして倉山満先生に学んでいたからでしょうね。信じられる著者を探すのは大事です。それには長年その人の言論を追うという地道な作業が必要になります。

 これからのグレンコ・アンドリー氏のご活躍に期待します!