倉山満『検証 内閣法制局の近現代史』感想
- 2022.09.17
- 倉山満
- 倉山満, 内閣法制局, 第8回倉山塾教養ゼミナール

『検証 財務省の近現代史』、『検証 検察庁の近現代史』に続く第3部作の完結編
『検証 内閣法制局の近現代史』
皆さん、内閣法制局ってどんな官庁かご存じですか?
普段、生活しているだけならほとんど耳にすることはない官庁ですよね。
私も倉山満先生を知る以前にはほとんど何をしているところか知りませんでした。
行政法を少しでも学んだことのある方ならこの内閣法制局が「諮問機関」と呼ばれる行政機関であることはご存じかもしれません。
「諮問機関」とは何か?
諮問機関とは、行政庁からの指紋を受けて、行政庁に対して意見を具申する機関のことです。
ここで大切なのは諮問機関の意見はあくまでも参考意見で、行政庁の意思決定を拘束するものではないこと。
しかし実際は内閣法制局は「法の番人」とも呼ばれ、今回問題になっている安倍元首相の国葬に関しても、岸田首相は「内閣法制局ともしっかり調整をした上で判断しているところです。こうした形で、閣議決定を根拠として国葬儀を行うことができると政府としては判断」したと述べているようです。
しかし実際には国葬が閣議決定を根拠として行えるかについてはかなり疑義がある様子。
それでも「内閣法制局」の意見を根拠に時の政府が様々な政策を行ってきたのは事実です。
こちらの倉山先生の著書は内閣法制局が戦後、どのような経緯を経て設立したのか。
そして時の内閣法制局長官がGHQが日本弱体化のために押し付けた日本国憲法をいかに骨抜きにし、日本を独立国として進むべく尽力したのか?
さらにその後はなぜか内閣法制局がそれまでの路線を全否定して日本国憲法の申し子のような存在に変質してしまった、その歴史が語られます。
本来は一諮問機関に過ぎないはずの内閣法制局ですが、その影響力は絶大で、我が国の政策だけではなく皇室に関する問題にまで影響を及ぼしています。
こちらの皇室の問題に関しては、9月24日(土)に石川県金沢市にて、倉山満先生をお呼びして、第8回 倉山塾教養ゼミナールにてお話しいただけることになっています。
著書を読んだ上で、倉山満先生のお話を聞けばさらに理解が深まることと思います。
ご都合がよろしければ、この機会にぜひご参加ください。
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