倉山満 長谷川三千子 本当は怖ろしい日本国憲法 感想

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 平和、人権、国民主権。このフレーズ皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?なんとなくいいもの?絶対守らなければいけないもの?ではこういった考え方はどのような背景から生まれてきたのでしょうか。

 これらの概念が発生した歴史を丁寧に長谷川先生と倉山先生が語ります。それは身の毛もよだつような血まみれの戦いの歴史。そんな恐ろしいいきさつから生まれた概念、果たして日本国憲法にそのようなものが必要なのでしょうか。

 憲法とは成文で書かれている「憲法典」だけを指すのではなく、国家が存在するところ、いかなる時代の国家にも必ず存在することになる判例法や慣習法としてのもの、として考えるならば、よそから借りてきた概念で作るのではなく、その国独自のものでなくてはなりません。

 人は人だから殺してはいけない、といったことがようやく近代になって認められた社会できた基本的人権という概念を、古代から民をオオミタカラとして一人として餓え凍ることのないようにするのが天皇の務めとされていた日本にそのまま取り入れてよいものでしょうか。国民主権とは国民が何をしても良いもの、気に入らなければ王様の首もちょん切っちゃうよ、というものだとすると・・・。

 日本は政治権力を将軍が握ることはあっても、天皇を排除したことはなかった。それを日本がやってしまったら、この国は日本ではなくなりますね。平和主義。憲法9条で守られてるから、軍隊はいらない?拉致被害者も取り返せない国は主権国家なんでしょうか。もし戦争が起こったら本当にアメリカ軍は私たちのために戦ってくれるのでしょうか。まあ、私たちは戦わないのでアメリカさんかわりに死んでくださいっていうのもひどい話ですね。

 私の息子の使っている公民の教科書でもこの3つは憲法の三大原則として教えているのですが、もちろんこういったことは説明されませんし、「戦前の天皇主権を否定して国民主権の原理を採用し、人権の保障を著しく強化」などと書かれています。

 確かに、日本国憲法にはずらずらと国民の権利に関する条文が並べられていますし、13条から無限に権利が増産できるシステムになっています。しかし条文に書かれていたら人権って守られるのでしょうか。書かれていなかったからと言って、人権を侵害していたということにはならないと思うんですけど。

 憲法の成立過程に関しても、ざっくりしすぎというか、一番肝心な占領下での法律改正は無効(憲法などもってのほか)ということは、絶対に教えないのですよね。ざっと読んだ限りでも、この教科書結構ひどいです。特に日本国内の外国人の人権のところは、ちょっと勉強した人ならすぐに間違いだらけだとわかります。教科書なのに嘘はいかんでしょ、東○書籍(怒)。

 長谷川三千子先生と倉山満先生の対談をまとめたこの本。対談のほうはチャンネルajerでUPされています。

http://www.youtube.com/watch?v=PdI8KMpEZf0

http://www.youtube.com/watch?v=O3OFD-5BKLM

http://www.youtube.com/watch?v=eSyYaFaQKS0

 ゆっくりと優しい声で話す長谷川先生と鋭いコメントを入れる倉山先生。著書を読んでも、長谷川先生がどれだけ聡明な方かはわかるのですが、対談でお話をされているのを聞くとなおさら、頭の回転の速い、周りの人に心配りのできる素敵な方なのがわかります。これはチャンネル桜の「どうする日本国憲法」という動画を見るとなおわかりやすいのですが、周りに配慮せず一人でしゃべりまくっているとんでもない人がいるのがいまいちです。倉山先生はさすがですが。

http://www.youtube.com/watch?v=Rtyn0Dz4Lfk&list=PLqdZVJ-FxJc_qBX85D-OH3WIPjcA6wphj

http://www.youtube.com/watch?v=jHi28axjw0U

http://www.youtube.com/watch?v=_KrxCONG5po

 GHQがいろんな憲法から持ってきた条文で作ったものを、何とか憲法典として使えるようにしたこの憲法。占領下だった時ならまだしも、それが終わってもう60年以上もたっているのにいまだに押し頂いているのは本当に情けないことです。しかもこれを何が何でも死守しようとしている人間が大勢いる。日本が独立した主権国家であることが認められることが困る人たちがどれだけいるかということです。本当に怖ろしいのは日本国憲法ではなく、日本人なのに日本人を滅ぼしたい人たちなのです。

※こちらの記事は平成26年1月27日に書かれたものです。