7日間ブックカバーチャレンジ 7日目 デビルマン

7日間ブックカバーチャレンジ 7日目 デビルマン

7日間ブックカバーチャレンジ、7日目。
最終日はこちら日本人必読の大傑作、永井豪『デビルマン』です。

って、ブックカバーチャレンジなのにカバーはずれてるし!
3巻も一緒に。

デビルマンが傑作なことはもう私が語るまでもなく語りつくされていることですが、あえて、やはり、今だからこそこの作品を紹介させていただきます。

どんなに傑作といってもやはり昭和40年代の作品、1巻の読み始めはあまりの感覚の古さにぎょっとすると思います。
しかしながら、アニメには登場しない物語のキーパーソン、主人公不動明の親友、飛鳥了の登場で物語の空気は一変します。
その後の息もつかせぬような展開。
まざまざと見せつけられるデーモンと人間の残酷さ。
最後のシーンの美しさと悲しさは圧巻です。

物語が進むにつれ、デーモンは残酷でありつつも、自身の心の赴くままに動いているため、それが見ようによっては自己犠牲のとてつもない美しさに感じるところもあります。
そして、人間の残酷さ。
主人公の明は、親友の願いで人間であることをやめた優しい心の少年です。
その心優しき少年が、人間に絶望し、それでも愛する美樹のために生きようと決心し、それが無残に崩れ去り、絶望と怒りに変わり。
必読と書きましたが、閲覧注意のシーンも多いので、読むときは心して読みましょう。

今、コロナで世界中が自粛している状況。
確かに未知のウイルスは恐ろしいです。
しかしながら、心ならず病にかかった人達を必要以上に攻撃したり、自身も不安になりながらも必死に働いている医療従事者を不当に差別する人達の話を聞くたびに、この物語を思い出します。
デーモンは恐ろしい。
しかしデーモンの脅威で、疑心暗鬼になった人間たちの愚かさ。
正義感や善意で人を傷つけることの恐ろしさ。
脅威は脅威として、正しく恐れ、自身の負の感情と向き合い、それに負けずに生きるためにも是非読んで頂きたい作品です。