7日間ブックカバーチャレンジ 1日目 ラビリンス 迷宮
- 2020.05.08
- 7日間ブックカバーチャレンジ
- 7日間ブックカバーチャレンジ, ラビリンス, 新井素子

現在、FBやツイッターで7日間ブックカバーチャレンジなるものが流行っているようです。
目的とルールは
●読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、参加方法は好きな本を1日1冊、7日間投稿する
●本についての説明はナシで表紙画像だけアップ
●都度1人のFB友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いする
となっていますが、せっかく書評ブログを立ち上げているので、表紙画像のみではなく、内容やこちらの本を紹介した背景なども少々加えて書いてみようと思います。
紹介する本も、こちらのブログでは普段は取り上げたことのないようなジャンルのものを中心にしていきたいと思います。
1日目にご紹介するのは新井素子の『ラビリンス 迷宮』。
こちらを初めて読んだのは中学生の頃。
元々読書好きだった私ですが、当時読む本は漫画以外は学校の図書館で借りることが中心でした。
何しろ、住んでいた町が本屋が一軒もないような田舎でした。
学校以外でも、町の役場で本当に狭いスペースですが、本の貸し出しを始めたと聞き、借りに行ったところ、こちらの本を見つけました。
当時は中学校の図書館に『アルセーヌ・ルパン』のシリーズがほぼそろっていたため、それを夢中になっていて読んでいたのですが、こちらの本はかなりの衝撃を受けました。
大戦の後、文明が滅びた世界。
軍神の化身のような少女サーラ。
貧しい家に生まれたサーラは、親の借金の肩に売られるより、神と戦って逃げ延びる道を選び、自ら人を喰う神のいけにえとなります。
くじ引きにより、やはりいけにえとしてささげられることとなった、神官の娘のトゥードは、喰われることになっても、なんとしてでも神の叡智に触れるべく、心身をととのえ、神と対峙します。
そして、実は遺伝子操作により、不老と恐るべき回復力、そして人を喰う獣の性を持ってしまった神。
この三者の想いが怨嗟のように、狂おしい恋愛のように絡みあいます。
新井素子の小説はシリアスな作風のものからコメディー、ホラーかと思えるような背筋の寒くなるものまでありますが、どの作品にも通ずるテーマは「生きる」ことそのものだと思います。
この『ラビリンス 迷宮』はその中でも特に、「命」や「生きる」ということに対して焦点が置かれた作品です。
新井素子の小説は、『星へ行く船』シリーズや、沢口靖子主演でドラマ化した『結婚物語』が有名ですが、私にとっては何と言ってもこの『ラビリンス 迷宮』が忘れられない1冊です。
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