7日間ブックカバーチャレンジ 6日目 姑獲鳥の夏

7日間ブックカバーチャレンジ 6日目 姑獲鳥の夏

7日間ブックカバーチャレンジ、6日目に紹介するのは、京極夏彦『姑獲鳥の夏』です。

京極夏彦の大ヒット『百鬼夜行』シリーズ第一弾。

「この世には不思議なことなど何もないのだよ」
京極堂のこのセリフに尽きるのですが、読者は京極夏彦の仕掛けに騙され、最後の最後まで本来謎ですらない出来事すら、説明不能な怪奇のように思わされてしまうのです。

20カ月以上身ごもり続ける妊婦、密室で行方不明になった夫。
謎は本当に物語の始めに解けている、それどころか当たり前のことなのに、登場人物の状況、めぐりあわせで謎は深まるばかりで、、、

こちらを初めて読んだのは、3カ月に入ろうとする息子が川崎病の疑いで入院中だったときです。
産前、お腹が大きくて安眠できない→産後、息子の夜泣きで眠れない→入院前、息子が40度近い熱を出し続け、ほとんど寝てないからの、息子の入院。
総合病院の児童病棟は普通は完全看護なのですが、さすがに3カ月の赤ん坊だと母親は世話係&食料なので、私も付きそわなければならず、それからほぼ3週間、点滴を打って授乳以外はほぼ寝ている息子の世話しかできない日々。

息子の心配をしつつも、いきなり膨大な時間が出来てしまい、ずっと読みたいと思っていたこのシリーズを夫に買ってきてもらったのでした。

今までのブックカバーチャレンジを見てもらった方はお気づきでしょうが、私は「長い」作品や「シリーズ」ものが大好きです。
この京極夏彦の作品は長さが全く苦痛ではなく、これになれると普通の小説では物足りなくなるほどです。
シリーズで一番好きなのは『絡新婦の理』

新書で800ページ越え!
製本技術の限界に挑戦!と言った感じです。
『姑獲鳥の夏』はまだ400ページちょっとなので(笑)、読みやすいし、何度読んでもやはり面白い!
普通のミステリーでは物足りない人に、おススメです。