倉山満 保守の心得 感想

NO IMAGE

 

 またまた、倉山満先生の新刊。今年出た本を、「常識から疑え!山川日本史 上」から数えたら、なんともう4冊目!!しかも「山川日本史 下」が5冊目でもう発売しており、明日amazonから届きます。倉山先生の本だけで読むのが追いつかないペースです。執筆に講演に、大学の授業もなさってるのかしら?先生過労死しないでね。

 「はじめに」で私たちの住んでいる日本がいかに素晴らしい歴史と伝統を持った国であるかが語られます。しかし、現在ではそれが失われつつあり、なおかつ、それを意図的に破壊しようとしている勢力があります。自虐的な教育を受けながらも、それがおかしいことに気づき、何とかこの国を守りたい、そのためにはどうしたら良いのか、最低限でもこれだけは知っておいてほしい、という倉山先生の思いから書かれた本です。

 耳触りの良い言葉であふれている本ではありません。「政党の近代化」「財政」「外交」「憲法」など、現在の日本における深刻な問題について書かれていて、この国を守るための覚悟を迫られます。

 厳しい言葉の中に、今つらい思いをして生きている人たちに、何とか生き抜いてほしいという、気持ちが垣間見えます。私も倉山先生と同世代なので、働き始めたときはバブルは崩壊しており、景気は悪くなる一方、このまま暮らしていて、老後は大丈夫なのか、とリアルに考えてしまいます。

 結局、お金がなければ、ちゃんと食べていける状況に無ければ、天下国家のことを語っても聞く耳をもってもらえない。まずは経済を立て直さなければ始まらない。そのために、日本銀行の政策を変えさせ、増税を止めるための活動を倉山先生たちが必死に行っていたことを知っています。ただ、理想を語るだけでなく、本当に世の中を変えるために動いてきた人の言葉をかみしめながら、この本を読み進めました。

 「おわりに」で、倉山先生は、空気を読むこととは人の気持ちを慮ることで、それは日本人の大切な伝統であるが、それが今失われつつある、と言っています。それを何とか食い止め、私たちはこの国を守り、次の世代へ残すためにどのように行動するのか。すべての人に考えてほしいと思います。

※こちらの記事は平成26年3月13日に書かれています。