倉山満 常識から疑え!山川日本史 近現代史編 上 感想

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倉山満先生の新刊。刺激的なタイトルに刺激的な表紙(笑)。女性ファンが減ったらどうするんだ・・・。

 見た目と違って(失礼)大変まともな内容かつ面白かったです。日本史歴史教科書のダメなところを7つの法則と歴史学界におけるタブーと合わせて解説しています。イデオロギーもなく、歴史教科書であるがため嘘はかけないが、タブーにより本当のことが書けない、英雄不在のため面白みに欠けるものになる、当時の世界情勢に対する説明がないため、なぜ日本がそのように動いているのかの理由がわからない。これでは歴史教科書がつまらなく、意味の分からないものになってしまうのは仕方のないことですね。最近、日本史を必修科目にしようという動きがありますが、教科書がこの有様ではあまり意味がない気がします。

 私自身、社会科が一番苦手でした(点数が取れないという意味ではない)。教科書を読んでも頭にすっと入ってこないため、重要なキーワードを暗記して点数を取る。しかしやっぱり大筋が理解できていないので、長期記憶として残らない。この本を読んで、その理由がわかる気がしました。

 日本史に関しては受験というか学校の都合で、高校2年の時点で日本史の勉強をやめてしまったため、歴史に関する知識が浅いというのはあるのですが、日清戦争や日露戦争がなぜ起こったのかということを、大人になって自分で勉強しなおすまで全く理解できていませんでした。恥ずかしい限りです(これは教科書のせいではないかも・・・)。

 この本で著者は「歴史教育とは自国正当化の手段であり、歴史問題は敵国を攻撃するた武器である」と言っていますが、確かに日本とかかわりの深いアメリカ、中国、韓国を見ているとそれをフル活用しているのがわかります。日本の取っている態度がいかに異常かということですね。こういった態度は他国を増長させるだけではなく、かえって軽蔑される要因になってしまうのではないでしょうか。なにしろ日本人自身がやっていもいないことをねつ造してまで謝って、よその国にわざわざ出かけて行って広めたりしているのですから。

 後半の内容に関しては、インターネット上のyoutubeやニコニコ動画にUPされているチャンネルグランドストラテジーの「じっくり学ぼう日本近現代史」を合わせてみるとより理解が深まると思います。毎週土曜日に更新されているのですが、これは本当に面白い!!歴史嫌いだった私が何度も見返しています。特に高杉晋作のエピソードとか爆笑しながら見てしまいます。

 教科書の問題というと、歴史教科書もですが、公民の教科書もかなりひどい!!こちらは倉山先生と長谷川三千子先生の共著「本当は怖ろしい日本国憲法」に絡めて今度感想を書きたいと思います。

 今回、上巻ということで下巻の発売が楽しみです。しかし倉山先生の本は今月もう2冊発売予定、出版ラッシュですね。うれしい限りです。

 ※こちらの記事は平成26年1月22日に書かれたものです。