山村明義 日本をダメにするリベラルの正体 感想  チャンネル桜編

山村明義 日本をダメにするリベラルの正体 感想  チャンネル桜編

 『日本をダメにするリベラルの正体』、大人気につき、重版、大量増刷決定だそうです。おめでとうございます!!

 前回はリベラル批判の部分の感想を書きましたが、今回は保守側の問題点の方に触れたいと思います。

 こちらの本は主にリベラルを批判していますが、だからと言って保守なら何でも良いと言っているわけではありません。

 山村先生は保守派の弱点を次の用にまとめています。

(P90より引用)

①一般の日本人が何を考えているか理解できず、自己満足に陥りがち
②戦略を現実に移して実践する能力に乏しい
③思想を実行する戦術面において、左翼やリベラルに劣勢に立たされる
④戦後日本には、実行力と戦略を伴うリーダーが少ない
⑤「日本はこうあるべき」という思い込みが強すぎ、異なる思想の相手がいるときの相対的関係性に弱い。具体的には自らの思想が崩れ、外部から矛盾を突かれると、お互いの批判や内部分裂が始まり、相手の攻勢に耐えられなくなる

(引用終わり)

 これをとある団体に当てはめてみると…

①やくざと見まごうような人物が街宣車に立ってがなり立てる。道路交通法違反で警察に注意されているのに「言論弾圧!」と大騒ぎ。その後、君が代斉唱、天皇陛下万歳と叫びそれをネット配信する素晴らしいセンス

②3億5千万円も集めて10年もかけておきながら、南京大虐殺のデマを払拭できないどころか、学園祭でも断られるような継接ぎ映画しか作れない

③左翼の真似をして、何かと裁判に訴えるも連敗。左翼は負けても判決文の一部など自身に都合の良いものをマスコミを使って大々的に拡散するのに、それも出来ず、負けた印象だけが残る

④誰が認めているのか知りませんが、自分は保守業界の大御所、リーダー、スターらしい

⑤今回の天皇陛下の御譲位の問題が最たるもので、御生前の譲位は認められないという考えに固執して、碌な思考もせぬまま「皇室典範は絶対変えてはならない」「左翼が言っているからダメ」。番組出演者でも御譲位を認めるような発言をすると番組を使って攻撃

 これに「味方(のはずの人間)を後ろから撃つ」を加えるとそのままチャンネル桜の社長、水島総氏のことですね。

 本書ではチャンネル桜だけを批判をしているわけではありませんが、あまりにもこの保守派の弱点を体現している団体であり、名前が上がっていることもあるので主に水島社長の言動を通して、保守の問題点を延べたいと思います。少々、本の感想の範疇を越える部分があることはお許しください。

 P80から、私がFC2ブログ「日本と本と猫と」で度々指摘している、平成25年の消費増税騒動のことが語られています。私が今まで伝えてきたのは主に公開情報の中の倉山満先生と水島社長の間で起こったことでしたが、その裏で何が起こっていたのか。

 水島社長は倉山先生と親しい山村先生のことも「切れ」と周囲の人に言い、多くの保守論壇の人達が「保守分裂」のあおりを受けていたそうです。あげくの果てには「倉山氏を切れば番組にまた出させてやる」などと側近から山村先生に言わせていたといいます。山村先生はその後はチャンネル桜には一切出演しておらず、今後も出ることはないそうです。山村先生は本当に信義に厚い方なのだと読んでいて胸が熱くなりました。

 水島社長は、田母神俊雄氏に対しても、都知事選で祭り上げておきながら、使途不明金疑惑が起こるやいなや、田母神氏が警察に相談の上、解決を試み、なおかつ水島氏にも相談していたにもかかわらず、自身の番組でそれを公開し叩くという信義違反をやってのけました。横領疑惑に関しては、検察も不起訴、検察審議会でも不起訴相当になったにも関わらず、未だに田母神氏のことを横領犯呼ばわりし続けています。

 水島社長は田母神氏に関しては名差しで批判していますが、名前をあげずにその人とわかるように誰かを批判するのも良くやる手口です。倉山満先生への誹謗中傷は何度も何年も繰り返していることは、私のブログ内でも散々指摘しています。名前を出さなければ名誉毀損にならないと思っているのでしょうか。そして、こちらの著書には書いてありせんが、山村先生のことも番組内でデマ呼ばわりしています。

【訂正】「正論」4月号、赤池誠章参議院議員の選挙戦について[桜H26/3/6]

 最近までうちに出入りしていた政治評論家が、間違いない自民党選対本部の情報と言って赤池さんが7万票か8万票しか取れずに落選すると私に教えてくれたので、フル活動で応援したが、自民党本部の方では赤池さんは当選すると予想していた。そしていくら親しいと言えどもそんな(選挙の得票数の予想など)簡単に漏らすことはありませんと、赤池選対から連絡があったというのです。こちら、見る人が見ればすぐにこの政治評論家が山村先生のことだとわかるはずです(水島社長も誰だかわかると思うけど悪口になってもいけないと言っている)。

 この参議院選のことを細かく語るときりがないので、深くは言及しませんが、あの時、チャンネル桜や倉山先生及び倉山塾が必死に赤池議員を応援したこと、その裏で山梨県自民党が赤池氏を冷遇しているという情報があったこと。赤池氏の得票数は全国で20万8千という予想以上のものであったが、山梨県での得票数は1万5千だったことを付け加えておきます。

 正論を読んで水島社長にわざわざそんなことを連絡してくる奇特な赤池選対の人が実在したとしての話ですが、何を持ってその人の言い分が正しくて山村先生が間違っていると判断したのでしょうか。

 私は頑張れ日本の内情は知りませんが、多くの倉山塾生が赤池氏を当選させるために家族や知人に赤池氏に入れてもらえるようお願いして回ったこと、赤池氏のことを広く知ってもらうために動画を作ったりそれを拡散したことを知っています。この応援は必要なかったとでもいうつもりなのでしょうか?

 平成29年3月10日午前7時30分時点でのyoutubeの再生回数。水島社長4172回、kazuya氏49974回。

赤池まさあき 応援演説 水島総(チャンネル桜)2013.7.15(※こちらの動画は現在削除されています)

参院選の比例区で迷ったらこの人に投票しろ!(youtubeは削除されたので、ニコニコ動画を貼りました)

 どちらが全国的に赤池氏を知らしめる力になったかは再生数で明らかだと思います。

 赤池選対の中の方が本当に実在するとして、赤池氏が当選するとの予想がされていて、間違ったことが雑誌で書かれていたのでそれを糺そうとしたのなら、確かにその方は誠実な人なのでしょう。しかし、蓋を明けてみなければ結果はわからない選挙で本当は応援してもらわなくても勝てたなどとわざわざいうことに何の意味があるのでしょう。そもそもその読みが正しかったかなど誰にもわからないことなのに。そしてこんな動画を作ることに、水島社長が嘘をついているのではなく、山村先生がデマを言ったということにする以外の何の目的があるのでしょうか。

 ある目的のために最善を尽くし結果を出した人たちがいた。片やその成果と今後すらダメにしようとする人たちがいる。赤池選対(実在すれば)の人と水島社長のしたことは、山村先生がもたらしてくれた情報とそれによって動いた人たちの気持ちや行動を無にすることではないですか?こんなことをしているから保守は勝てないのですよ!!

 倉山先生が良く言っていることなのですが、結局右か左かではなく下になるな、上であれ!ということでしょう。保守のあるべき姿は、歴史、伝統、文化を大切にするが新しいものも受け入れる、常にメンテナンスしつつ極端に走らないことだと思います。そして日本を滅ぼしたい勢力があるのなら、それから日本を守る、家族を守る、それが本来の保守だと思います。

 そのためには我々は賢くあらねばならない。きちんと学び、勝つための戦略を立てて実行しなければならないのです。

 山村先生は大事なことは、思想というものを「唯一絶対のもの」にしないこと(P229)と言っています。右とか左とかいう以前の話で、思想に縛られずに本来あるべき姿、こうありたいと思う姿。それに近づくにはどうすればよいのか。リベラルとは、保守とは一体なんであるのか。今一度考えてみるために本書を是非手に取って頂きたいと思います。

※こちらの記事は平成29年3月10日に書かれたものです。