倉山満 歴史戦は『戦時国際法』で闘え 感想

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 久しぶりの倉山先生の著書の感想。書けてないの何冊たまってるんだろう(大汗)。順次書いていきます。

 こちらは4月24日に出た新刊。年表入れて111ページと言う適度なボリュームでするすると読めました。最近のご著書は300ページ超えのものも多かったですからねえ。たくさん読めるのは嬉しいのですけど。

 それで、ページを開くといきなり笑点のネタと「北岡伸一氏は悪い奴だ」から始まるという。笑いの要素も満載です。倉山先生の学会話は面白いのですが、ホラーと見まごう怖さもあります。大学生の時、一時期大学院に進むことも考えたことがあるのですが、とてもではないけど務まらなかっただろうなあと思います。歴史学ではなく、語学文学方面なのでまた雰囲気は違うのでしょうが。

 語られるのは国際法の原則とそこから考えるといかに支那事変や満洲事変、その他の日本の戦争を侵略戦争と呼ぶことが間違いであるかについて。学校の歴史の授業では単なるキーワードとして覚えていた人物や思想や条約などが、本当はどのようなのものだったのか。短いながらもわかりやすい注釈もたくさんついています。これが教科書だったら私も歴史嫌いにならなかったでしょうね。本当に歴史教科書はどうにかして欲しいと思います。資料として東京書籍の中学の歴史と公民の教科書は持っているのですが、やっぱりわかりづらいです。公民は支離滅裂ですし。

 巻末の「歴史問題の心得」は必見です。このようなことを言う人を倉山先生以外に知りません。細かい説明は読んでいただきたいので書きませんが、「国際法を武器に使う」という点で考えれば中国人こそがまともで日本人のほうが頭がおかしいのだそうです。一見、保守と言われる方々にものすごく反発されそうな言葉ですが、なぜ倉山先生がこのような書き方をするのか、是非本書を手に取っていただきたいと思います。最初に書きましたが、本当に読みやすい本です。

 この本の冒頭に安倍談話について書かれた部分があるのですが、それに関しては長くなるので次回書きます。感想と言うより、こちらの本を参考にした考察になります。

※こちらの記事は平成28年5月23日に書かれています。