上念司×倉山満 『かくも根深い「政治の劣化」を叱る!』感想。

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 倉山先生にお会いできる機会があり、ご著書にサインをいただきました!

 「真・戦争論 世界大戦と危険な半島」に書いていただいてます。
 「平和と人権」大切ですね(笑)
 実際にお会いした倉山先生は動画で見る印象よりもずっと温和で気遣いをされる優しい方でした。

 こちらはVoiceで連載中の「説教ストロガノフ」の2冊目。相変わらずの軽快なお二人の対談。表紙のデザインも面白い!

 一強多弱になってしまった現在の政治。平成24年12月の衆議院選挙が終わったときに、上念先生は「これから平成25年体制が始まる」と言っていました。昔の55年体制(自民党2対社会党1の体制)になぞらえたものですが、その状態のまま、それも日本維新の会は維新の党と次世代の党に分かれ、次世代はほぼ壊滅。みんなの党も解党というなんだか望ましくない状況に(私が考えるにはですが)。

 印象としては、衆議院選後の論調が上念先生が結構楽観的なのに比べ、倉山先生は厳しい見方になっているような気がします。もともと倉山先生は厳しい論調が多いのですが、健全な近代政党が最低でも2つなければならないと言っているのに、現在では与党自民党(とそれにくっついている全く理念を同じくしない公明党)の一強に弱い野党。近代政党は一党もないという状態なので無理はないのですが。選挙に3度も勝った安倍政権ですが、周りの状況を見るに本当に強い政権なのかは微妙です。安倍さんが一番やりたいと言われている憲法論議がグダグダなことからもうかがえます。

 衆議院選で大躍進した共産党ですが、第四章で「共産党=ブラック企業」という面白い考察がなされています。機関誌『赤旗』の記者募集には待遇が書いてない、その『赤旗』は区役所や市役所などの自治体の役所の部長などに対し、共産党の議員が自腹で購入するように「営業」している、造反の疑いがあるものに対しては『査問』が行われる、など確かにその通りかも、というか怖すぎです。

  第五章の「テロに共感して安倍叩き!?」は日本人拘束事件の時のサヨクとメディアの報道に対する批判ですが、実際に悪夢を見ているような状況でした。テロリストに日本人が拘束されているのに、政権批判。マスコミはダーイッシュ(ISIS)のプロパガンダ映像を垂れ流し、彼らにも言い分があるかのような報道をする。テレビ番組にでて「I am not ABE」などのプラカード持って自己主張をするバカな元官僚。非難されるべきはテロリストなのに、それに乗じて安倍首相を叩く。私たちはテロリストにシンパシーを感じていますという自白でしょうか。わかりやすくて結構ですが、さすがにそれに騙され続けるほど国民もバカではないと思います。滅びたいのでしょうか。

 倉山先生の後書きは相変わらず面白いです。上念先生との学生時代の思い出が語られてるのですが、「レッドショルダー部隊」を作るって・・・。お二人と同世代の私は思わず笑ってしまいましたが、大学生時代でそれをやろうとは。詳しい内容は、昔トークライブで語られていて抱腹絶倒です。倉山塾で購入できるオーディオブックで聞くことが出来ます。考え方はけっこう違うお二人ですが、長年付き合ってきた中での信頼関係があってこそ意見をぶつけ合うことが出来るのでしょうね。

※こちらの記事は平成27年4月14日に書かれたものです。